真空蒸着装置とは、真空雰囲気の中で材料を気化蒸発させ、サンプルに薄膜を成膜する装置です。ターボ分子ポンプを利用した高真空下で成膜することが一般的で、不純物の無い膜を作ることが可能です。蒸着装置では、カーボン、金属、有機物などを飛ばすことが可能です。
真空デバイスの蒸着装置は、シーケンスプログラム制御された操作で簡単に高真空領域の環境を作ることができ、研究開発に最適な小型で安価なラインナップが特徴です。大気圧から5x10-3Pa領域までの到達時間はおよそ5分間。従来の古いシステムから切り替えることで研究開発のスピードを加速させます。
真空蒸着装置の原理
蒸着装置は原理としてはそれほど複雑ではありません。
電極と電極の間にフィラメントとなるタングステンバスケットやMoボートなどをセットし、チャンバー内を真空排気します。電極間に電流をかけるとフィラメントが加熱され金属が溶けるほどの高温になっていきます。
身近な例でいうと白熱球のランプなどは同じ原理となります。電球の中は真空になっていて、電気を入れるとフィラメントが加熱されてまぶしく光ります。
この原理を利用してフィラメント加熱で材料を溶かし、蒸着することが最も単純な方法です。
蒸着量を調べるには膜厚計を利用することが一般的ではありますが、計算式である程度の予測を立てることも可能です。
こちらは計算フォームを作ってみましたので、膜厚の予測にご活用ください。
蒸着方法には通常のフィラメント加熱方式に加え、EBガンやKセル加熱などの方法もございます。
材料によって最適な蒸着方法が変わります。目的や特性に合わせて使い分けなければなりませんので、これは材料表を参照したり、蒸着方法の特徴を理解する必要があります。
詳細については以下のコンテンツもご参照ください。
卓上サイズの小型高真空蒸着装置 VE-2013
小型 TMP+RP の排気系により清浄高真空の蒸着装置を低価格で提供。
複雑な排気操作は無く、タッチパネルスイッチのみの全自動制御です。
小型ターボ分子ポンプ内蔵によりコンパクトなサイズを実現(RPは外置き)。卓上の小さなスペースで活躍いたします。
タングステンバスケットの使用で金・アルミニウム・クロム・銀などの蒸着が出来ます。カーボン蒸着は専用カーボン(SLC-30)を使用して蒸着するクランプ蒸着銃タイプを使用。
電子顕微鏡試料の前処理や、金、アルミ、クロムなどの薄膜作成に特化したモデルになっております。
柔軟なカスタマイズに対応可能な据え置き型モデル VE-2050
VE-2050 には多彩な付属装置(オプション)が用意してあります。ご研究の目的に応じたカスタマイズにも柔軟に対応が可能です。ターボ分子ポンプ、ロータリーポンプを内蔵しております。
タングステンバスケット蒸着をはじめ、Moボート、Kセル加熱、EBガン、カーボンロッドの蒸着など、幅広く対応しております。
研究の領域を広げたい方、据え置き型モデル VE-2040
大きなチャンバーと、最大150Aの大電流を流せる電極を搭載。
様々なカスタマイズに対応し、さらなる研究の幅を広げたいお客様と作り上げていく装置です。
タングステンバスケット蒸着をはじめ、Moボート、Kセル加熱、EBガン、カーボンロッドの蒸着など、幅広く対応しております。